トゥルシオプスガオアル
モチーフ:バンドウイルカ(Tursiops truncatus)
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伊織陽真が志半ばで命を落としたルートにのみ登場。
この際、エージェントのこれまでの行動・選択肢によって裏で蓄積されてきたカルマ値のような隠しステータスが判定に使われる。
【カルマ値:善ルート】
カルマ値がプラス寄り(善)である場合、エージェントは伊織陽真の死の瞬間に居合わせることができなかった。遺体すら還らなかった拠点でその事実を告げられるエージェント。その夜、ガオアル化することで得られる「特殊能力」の種類を、自分の強い願いによってある程度絞り込むことができると考えたエージェントは形見の石を持って失踪。しばらくして、工業地区周辺の海にイルカ型のガオアルの姿が目撃されるようになる。
そして少しずつ、「伊織陽真が戦死した戦い」に関係する者たちの記憶・認識が改ざんされていく。違和感を覚えた者は紙媒体に手書きで書き残すなど抵抗を試みたものの、敵味方問わず全員の認識が改ざんされ、とうとうあの戦いは「起きなかった」ものとなってしまった。
「伊織陽真」が拠点に足を運ぶ。ライダーフォンでイルカ型ガオアルの目撃情報が上がってきたためだ。「これまで一度もメンバーが欠けることなく戦い抜いてきた」ジャスティスライドは、過去救えなかったガオアル、救うことができたガオアル――目の前にいる執事――の二者を想って、「相手がどんな人間だったのかは分からない」が、もう一度救おうと工業地区の海へ駆け出していった。
【カルマ値:悪ルート】
カルマ値がマイナス寄り(悪)である場合、エージェントは伊織陽真の死の瞬間に居合わせ、彼の最後の言葉を聞いてしまう。最後の言葉は、彼は蘇生を望まない、と解釈できる意味合いの言葉であった。
彼のいない世界などなんの興味もない。すべての戦いを終えたエージェントは、執事と高塔EPへ財閥に関する引継ぎを終え、形見の石を持って失踪してしまった。
イルカのストラップを胸に抱いて海へ身を投げるエージェント。死に瀕した我が子を守ろうと、形見の石が自らカオスワールドへの扉を開き、彼女はその中へ飲み込まれていった。
父の愛によって生かされてしまった彼女は、ガオアルになりながらも自我が鮮明に保たれたままであった。今の自分ならば、得られた特殊能力を使うことで「彼」の死をなかったことにできる。しかし、ほかならぬ彼自身にその道を選ぶことを拒まれてしまった。
彼のいない世界から差し込む太陽の光を、トゥルシオプスガオアルは海底で今も遠く見上げている。
※
TRUNCATEの他、SELECT、MARGE、UPDATE、INSERTなども唱える模様。
TRUNCATEは「削除」コマンドにあたるが、「戦死」の記録を完全に削除することで蘇生することができる。ただし、その戦闘が行われた事実自体をなかったことにするため、戦闘ならびにその前後に得た知識・経験等はすべてリセット。関係する物品等も含めひとつ残らず「ログ」を消去しなければ発動しない。